臨床検査室について
検査室は検体検査、生理検査、輸血、細菌検査、健診等の診療支援、および、治験検査、研究検査をはじめとする研究支援などについて多種多項目にわたり幅広く検査しています。検査内容は診断に役立つ様に、幅広く、そして重要項目はより深く検査しています。基本方針は「精度、正確、迅速、連携、向上心」であり、中でも精度の高い検査を行うに当たり、毎日の精度管理を欠かすことなく実施し、外部精度管理(日本医師会、広島県医師会、日本臨床検査技師会)では高い評価を得ています。日常業務は、24時間対応に取り組んでおり、迅速かつ精度の高い検査データの提供により「質の高い医療」を支えていると自負しています。
血液学的検査
血液検査として、血球計数、血球の形態、血液を凝固させる物質(凝固因子)、その他(骨髄検査、血液ガスなど)の検査を行っています。
生化学的検査
生化学的検査患者さんから採血し、固まった血液を遠心分離器にかけ、「血液の塊(血餅)とそれを取り巻く淡黄色の液体(血清)」に分離、その血清を用いて自動分析装置などで最大36項目、検査実施から結果判定まで約12分で測定します。血液中の生化学成分を調べることで、どの臓器にどのような異常が生じているかということを間接的に調べることができます。
一般検査
検査と便検査の他に、髄液や胸水、腹水といった体腔液の検査を行っています。
■尿検査
試験紙を用いて尿の中に過剰な蛋白や糖などの成分が出ていないかを調べます。尿の通り道での炎症や出血の有無や、腎臓の働きの良し悪しなどがわかります。
■便検査
便は、消化管を通ってくるので、便に含まれる物質を調べることで、消化器系潰瘍などの病気の診断や、消化状態の判定を行います。
免疫学的検査
各種ウィルス(感染)検査、腫瘍マーカーなどの特殊検査を行っています。ウィルス(感染)検査にはB型肝炎ウィルス検査(HBsAg、HbsAb)、C型肝炎ウィルス検査(HCV)などがあります。
■薬物血中濃度
薬物は、血中濃度が低すぎると効果がなく、高すぎると中毒や副作用を発現するといった二面性があります。血中薬物濃度を測定することでTDM(Therapeutic Drug Monitoring;治療薬物濃度モニタリング)に役立ちます。TDMとは薬物治療が最適となるように、体内動態を考慮して、効果および副作用などの反応をモニターしつつ、薬物の投与法を調節することです。
輸血検査
輸血検査には、ABO血液型検査(Rh血液型含む)、交差適合試験(クロスマッチ)などがあります。
■交差適合試験
輸血は大量の出血によって体の中の血液量が減った場合や、貧血によって体の組織へ酸素が運べなくなったとき、あるいは出血を防ぐために凝固因子を補充する場合などに行います。交差適合試験は、輸血する患者さんの血液と、輸血される患者さんの血液を実際に反応させて、その患者さんに適合する血液かどうかをみる検査です。
微生物検査
提出された患者さんの尿・喀痰・膿などから感染症の原因微生物の検索を行います。
■喀痰の微生物検査
呼吸器感染症(肺炎など)の原因微生物の検索および肺結核症を疑う患者さんの結核菌検査を行います。
■尿の微生物検査
膀胱炎の原因となる大腸菌などの細菌が尿にいるかどうかの検査を行います。性感染症として重要な淋菌も調べることがあります。この場合の検査材料は尿の他に、尿道分泌物・膣分泌物を用います。
生理検査
生理検査とは、心電図検査、肺機能検査、脳波検査、超音波検査、誘発伝導検査、神経伝導検査、24時間血圧測定、視力検査、眼底写真検査、聴力検査等の検査を指します。
心電図検査
心臓は、心臓の筋肉が収縮と拡張を繰り返すことにより、全身に血液を送る働きをしています。収縮や拡張は、心臓の一箇所から弱い電気が規則正しく発することにより行われ、この電気の伝わり方を記録したものが心電図です。 この検査は、脈の乱れ、胸の痛み、動悸、呼吸困難、失神などの症状を診断する場合や手術の前や入院時に行われる検査で、健康診断においても行われることがあります。手首、足首、胸部に電極をつけるだけで簡単に検査ができ、そのときに苦痛は伴いません。
精度管理認定証
「精度保証施設認証」とは、「標準化され、かつ精度が十分に保証されていると評価できる施設」に対し、精度保証施設として認証する制度で、当院(当検査室)は過去4回施設認証をうけている。
2021年、5回目の更新を申請し、外部精度管理を含む日々の精度管理を実直に行っているので、厳しい審査基準を満たしていると判定され、更新できた。