診療部

外科

診療科紹介

消化器疾患を主とした外科的治療、外来における各種外傷の処置を中心に行なっています。低侵襲手術の一環として鏡視下手術(消化管、胆道、ヘルニア等)を積極的に取り入れています。 また、高齢患者さんが多く、胃瘻造設、中心静脈ポート留置も行なっています。 地域のがん拠点施設から、在宅療養までの期間の管理のための転院や末期患者さんの受け入れも積極的に行なっています。 岡山大学病院からの非常勤医師により、透析シャントに関する手術やペースメーカー交換、血管に関する手術を行っています。

当院外科は、外科専門医のスタッフ3名で診療にあたっています。
・日本内視鏡外科学会技術認定医
・下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医
・検診マンモグラフィ読影認定医
・消化器がん外科治療認定医
・痔核硬化療法(アルタ療法)
当院の外科では、消化器、呼吸器、乳腺、ヘルニア、血管(中心静脈栄養、末梢留置型中心静脈栄養、シャント、下肢静脈瘤、痔核など)および一般外科などの分野の疾患を取り扱います。あらゆる疾患の救急外科疾患や良性および悪性の外科的疾患に対応しています。
高齢などで腕の血管が細く、末梢静脈からの点滴が難しい患者さんや経口摂取が困難で高カロリー輸液を要する患者さんに対して、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)留置や中心静脈ポート(CVポート)留置を行っています。
がん治療では、がんの手術のほか、化学療法にも力を注いでいます。

外科の代表的な疾患

大腸がん
担当:新田泰樹 ▼詳しくはこちら

便鮮血検査で陽性が出たり血便や腫瘍マーカーに異常が認められた場合、精密検査が必要でその他の採血やCTや大腸カメラで悪性腫瘍がないか、ポリープや良性腫瘍がないか検査します。最低でも1年に1回の検査をしておきましょう。
精密検査で見つかった良性腫瘍・悪性腫瘍は小さいものであれば大腸カメラで治療可能です。
大腸カメラで切除できても組織の浸潤する深さなどにより、追加で手術が必要なことがあります。
早期に見つかれば大腸カメラで治療ができるため腹腔鏡下手術や開腹手術が必要ないことがあります。

内視鏡的一括切除可能 であれば大腸ファイバーにて治療できます。
リンパ節転移の可能性がなく,腫瘍が一括切除できる大きさと切除可能な部位です。
病理診断で浸潤が深い・組織型・脈管浸潤等で追加切除になることがあります。

内視鏡的一括切除不可能・高度浸潤がんであれば外科的切除が必要となります。
胃がん
早期がんは健診・人間ドックなどの胃カメラで見つかることが多く、大きくなると貧血や腹部症状が出てきたものは腫瘍マーカー・採血と胃カメラなどの精密検査が必要になります。
早期でみつかると胃カメラで治療できますが大きくなると手術が必要になります。
おなかの中(腹腔内)の腫瘍
造影CTなどで見つけますが判りにくいことが多いため定期的な検査が必要となります。
放置し経過観察で問題ないこともありますが腫瘍ができる部位により切除が必要なことがあります。
憩室炎や腸炎
小腸や大腸の炎症によって起こり内科的な治療で済むことが多くなります。
腹痛や発熱で発症するしますが我慢しすぎると腹膜炎になり大掛かりな手術になります。
虫垂炎と区別がつきにくいことがありますがCTなどの検査で判断します。炎症の起こる場所により腹痛の部位が変わってきます。
虫垂炎
虫垂突起(盲腸の先端についている細い腸)の炎症で腸炎の中に分類されます。早期に見つかると内科的な保存的治療が可能なことがあります。腹痛や発熱で発症することが多いが我慢しすぎると腹膜炎になり大掛かりな手術になります。早めに見つかると腹腔鏡下手術が可能となります。
イレウス(腸閉塞)
小腸の流れが悪くなり小腸が詰まってしまうことで起こります。原因は炎症や癒着であったり捻じれたり小さな穴に入り込んだり場合により原因不明のことで起こります。
詰まる原因ががんのこともあります。がんでなければ保存的な治療(絶食・減圧)で治ることがあります。小腸の一部に血液が循環せず壊死してしまうこともあり緊急手術が必要な場合があります。
胆嚢結石・胆のう炎
肝臓から十二指腸に胆汁を運ぶ管を総胆管といいます。総胆管の途中に肝臓から出る胆汁を溜める部位が胆嚢です。食事をしたとき十二指腸に脂肪やたんぱく質が来ると消化を助けるために濃い胆汁を十二指腸に送り出します。胆嚢からの流れが悪くなると炎症を起こし胆のう炎となります。流れが悪くなる原因に胆石・胆泥・胆砂や腫瘍のことがあります。石・泥・砂がないのに胆のう炎が起こることがあり無石胆のう炎と呼ばれます。保存的に良くなることもありますが手術をすることが多くあります。
総胆管結石
肝臓から十二指腸に胆汁を運ぶ管を総胆管といいます。その出口は狭く括約筋でせき止め流れを調整しています。総胆管に石・泥・砂が詰まると激痛が走り緊急に処置が必要となります。カメラで総胆管の出口を開き詰まりを解除します。胆のう結石や肝内結石が落ちてくることで起こります。
場合により先天性に総胆管の変形や合流異常により起こります。その場合はがんが発生することがあり外科的な手術が必要です。
ヘルニア
担当:花畑哲郎 ▼詳しくはこちら

ヘルニアとは臓器や組織が本来あるべきところから飛び出すことですが、お腹でいうと脱出のほとんどが腸のため、「脱腸」のことでもあります。脱出する部位により○○ヘルニアという病名がつきますが、足の付け根辺り(鼠径部)から脱出するものが鼠径ヘルニアと呼ばれ、一番多いヘルニアです。始めはお腹の壁の弱い部分が少し膨らむ程度ですが、その後徐々に大きくなってきます。治療は大人の場合、お腹の壁を修復する手術しかありません。脱出した腸が戻らず痛む場合は、緊急手術になることもあります。
痔核 
担当:因來泰彦 ▼詳しくはこちら

痔核(いぼ痔)は肛門の内側(粘膜)にできる内痔核と外側(皮膚)にできる外痔核があります。
当科では『脱出を伴う内痔核』に対して日帰りまたは1泊入院による痔核硬化療法(ALTA療法=痔の注射治療)を行っています。
下肢静脈瘤
担当:因來泰彦 ▼詳しくはこちら

下肢静脈瘤は、立ち仕事の方などに多い疾患で、足のだるさ・足がつる・足の血管が浮き出て目立つなどの症状が現れます。
当科では日帰りまたは1泊入院にてカテーテルによる血管内治療(血管内高周波焼灼術)を行っています。

その他 乳がん健診なども行っています。

主な疾患と手術術式および入院期間

疾患手術術式入院期間
急性虫垂炎腹腔鏡下虫垂切除術4~5日
鼠径ヘルニア腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術2~5日
胆石症腹腔鏡下胆嚢摘出術4~5日
結腸がん腹腔鏡下結腸切除術10~12日
下肢静脈瘤日帰り~1日

ストーマ外来

(予約制)第3木曜日 14:00~16:00
ストーマ外来とはストーマ(人工肛門、人工膀胱)造設された患者さんが、ストーマ造設前の生活を目指し、より快適な日常生活を送ることができるよう専門的なケアを提供する専門外来です。皮膚・排泄ケア認定看護師が、皮膚障害などストーマケアトラブルの問題解決、精神面のサポートや情報提供を行っています。

【ストーマ外来の内容】
ストーマ周囲皮膚のトラブルや装具交換に関する相談
ストーマ装具や関連製品の情報提供
日常生活に関する相談 家族のサポートや社会資源に関する相談 など

手術症例数(年度)

2020202120222023
消化管54363744
末梢血管105116133*
体表等6763
上記のうち
腹腔鏡手術
281722*
その他312516*
合計196184192244

内視鏡(年度)

2020202120222023
胃内視鏡758775
大腸内視鏡209189
ERCP84
その他72
982970

2023年12月12日現在

医師紹介

担当医

新田 泰樹

Yasuki Nitta

外科部長

◯医学博士
◯日本内視鏡外科技術認定医
◯医道分科会麻酔科標榜資格審査部会認定 麻酔科標榜医
◯日本外科学会認定 外科専門医
◯日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医
◯消化器がん外科治療認定医

担当医

花畑 哲郎

Tetsuro Hanabata

手術室部長

◯医学博士
◯日本外科学会認定 外科専門医
◯日本乳がん検診精度管理中央機構認定 検診マンモグラフィ読影認定医

担当医

因來 泰彦

Yasuhiko Inaki

◯日本外科学会認定 外科専門医
◯下肢静脈瘤血管内治療実施管理委員会認定 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医

担当医

蓮岡 英明

Hideaki Hasuoka

総合診療科部長
地域医療福祉支援センター長 

◯日本外科学会認定 外科専門医
◯日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医/指導医
◯日本消化器病学会認定 消化器病専門医/指導医
◯医道分科会麻酔科標榜資格審査部会認定 麻酔科標榜医

非常勤医師

大澤 晋 先生<岡山大学病院 医療安全管理部 講師>
松本 祐 先生<岡山大学病院 消化管外科 肝・胆・膵外科 小児外科>

外来診療表


1診花畑 哲郎新田 泰樹
(内視鏡外科)
花畑 哲郎新田 泰樹
(内視鏡外科)
因來 泰彦花畑因來新田
2診新田因來因來 泰彦松本 祐因來 泰彦花畑 哲郎岡山大学
専門外来

大澤 晋
(心臓血管外科)


1診花畑 哲郎
2診新田因來
専門外来
1診新田 泰樹
(内視鏡外科)
2診因來 泰彦
専門外来
1診花畑 哲郎
2診松本 祐
専門外来
1診新田 泰樹
(内視鏡外科)
2診因來 泰彦
専門外来大澤 晋
(心臓血管外科)
1診因來 泰彦
2診花畑 哲郎
専門外来
1診花畑因來新田
2診岡山大学
専門外来