痔核（いぼ痔）について
肛門周辺の粘膜の下には、血管が集まって肛門を閉じる働きをするクッションのような部分があります。肛門への負担が重なると、クッションを支える組織が引き伸ばされ、クッション部分が大きくなり、出血したり肛門の外に出たりするようになります。これが痔核(いぼ痔）です。 痔核には、直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。また、内痔核が大きくなって脱出するようになると肛門側の痔核、つまり外痔核を伴って内外痔核という状態になることもあります。
ALTA(アルタ)注（商品名：ジオン注）による痔核硬化療法は
「脱出を伴う内痔核」にALTA注を痔に直接注射して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。 ALTA（ジオン）の有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸というものです。
| 硫酸アルミニウムカリウム | 出血症状や脱出症状を改善する |
|---|---|
| タンニン酸 | 硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節する |
「痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が傷む」というようなことはなく、日帰りまたは1泊入院による治療が可能です。
治療方法について
（血圧・心電図モニターチェックのため、手術室で投与します。）
①ALTA注を投与する前に肛門周囲へ痛み止めの注射（局所麻酔）を行い、肛門周囲の筋肉を緩め、注射しやすくします。
②肛門が緩んだら肛門鏡という器具を肛門に挿入します。
③ALTA注（ジオン注）はひとつの痔核に対して図のように４か所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。
ALTA注（ジオン注）を投与すると？
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