社会医療法人 社団 陽正会 寺岡記念病院 理事長 寺岡 謙
診療報酬や介護報酬を含む医療・介護制度は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年、またはその後の2030年に向かって、大きな転換期を迎えています。また、福山市北部や府中市、神石高原町の人口は、年を追うごとに、大きく減少していきます。それに加えて、医師偏在、看護師不足はいっこうに改善されず、一方で全国的に急性期の患者の減少が報告されています。更に、AIやロボット技術、次世代通信規格5Gなどの普及で、医療や介護テクノロジーは大きく変わる事が予測されています。この10年、20年で、医療・介護の現場にいる私達は、すさまじい変化を目撃する事になると思います。 しかし、だからこそ、「やっぱり寺岡記念病院はこの地域に不可欠だ。」「やっぱり寺岡記念病院は頼りになる。」地域住民の皆様方にそう思って頂けるように、今まで以上に、より信頼される病院になる事が必要だと考えております。その為には、地道に丁寧に地域のニーズに応えていくと同時に、これまでの医療・介護の枠組みや常識にとらわれない斬新な視点からのアイデアが必要です。そして、それを寺岡記念病院だけでなく、多世代交流施設ローカルコモンズしんいちや、府中市にある府中みのりクリニック・介護療養型老人保健施設みのり、神石高原町にある神石高原町立病院、そして特別養護老人ホーム ジョイトピアおおさや、老人保健施設 ジョイトピアしんいちを運営する社会福祉法人新市福祉会を含む、陽正会グループ全体で実践していく事が必要です。 寺岡記念病院と陽正会グループは、来るべく時代の変化を先駆け、次のステップアップに向け、元気良くチャレンジしていきます。
社会医療法人 社団 陽正会 会長 寺岡 暉
社会医療法人 社団陽正会は2009(平成21)年3月に広島県で最初の社会医療法人となりました。 その意図は、日本医師会が定めた「医師の職業倫理指針」の「医の倫理綱領」には 「医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くし、医業にあたって営利を目的としない」、と明記されており、われわれの医療活動において、この「医の倫理綱領」に従って地域医療に取り組むには、この形態によって取り組むことがより適切であると考えたからです。 社会医療法人 社団陽正会は、持続可能な発展を目指して、2019年理事長を交代して、寺岡 謙が新理事長に就任しました。その医療活動として、急性期・回復期・地域包括ケア・慢性期医療を切れ目なく、全人的・包括的かつ地域密着型医療を行う福山市新市町の寺岡記念病院を中核として、府中市の介護・医療施設、神石高原町立病院の指定管理、社会福祉法人新市福祉会との連携施設ローカルコモンズしんいちを統合する陽正会グループの医療福祉総合施設としての経営を進めております。 時あたかも、地域医療構想のもとに病院の機能分化と統合が進められようするなど流動的な時代でありますが、陽正会の基本姿勢は、あくまで地域密着型総合医療をそれぞれの組織において発展的かつ達成可能な目標を新理事長のリーダーシップのもとに改めて定め、発展的に事業を進めてまいります。その際、部分を単に集めたのでは全体にはなりえない。大事なことは、変化する社会を全体としてとらえることです。